(EB1-B又はEB1-OR)傑出した教授又は研究者

初めに

EB1-Bは、優先労働者の一種です。このカテゴリーの資格を得るには、外国人は特定の学術分野で傑出していると世界的に認められていなければなりません。外国人は、特定の学術分野で三年以上教授又は研究者として働いた経験が必要です。また、労働証明書は必要ないものの、スポンサーを務める雇用主から継続した雇用のオファーが必要です。大学の教員や研究者に関しては、終身在職権利を持っている必要があります。

自己申請不可

請願書は、米国の雇用主がUSCISへ請願者として申請しなければならず、外国人は、その請願書の受益者となります。

EB1-B永住権には待ち時間がない

雇用に基づく永住権第一優先カテゴリー(EB-1)では、どの国の国民も必要な資格を満たせば直ぐに永住権を取得する事が出来ます。最新の動向では、米国国務省は、近い将来EB-1優先カテゴリーに締切を設ける可能性は低いと述べています。

EB1-Bに必要な資格

外国人は、以下の三つの要件を満たした場合、傑出した教授又は研究者としての資格を得る事が出来ます:

  • 特定の学術分野で傑出していると世界的に認められている。
  • 専門分野で三年以上教授又は研究者として働いていた。
  • 1. 終身在職権利付き、又は終身在職権利取得予定の教授として雇用のオファーを受けている、又は同等の研究者として雇用のオファーを受けている、又は
    2. 雇用期限がなく、通常永続的な雇用が期待できる研究者としての雇用のオファーを受けている、又は
    3. 民間企業が三人以上のフルタイム研究者を雇用しており、研究分野で書面化された功績を持っている場合、その民間企業から同等の研究者としての雇用のオファーを受けている

世界的な評価の証拠

EB1-Bを申請する際は、特定の学術分野で外国人が傑出していると世界的に認められている事を立証しなければなりません。USCISの規則では、その教授・研究者が傑出していると世界的に認められている事を証明するエキスパートからの推薦状の提出を許可しています。それらのエキスパートによる証言は、外国人が専門分野において重要な意味を持つ新しい科学的な、又は学術的な貢献を行ったと証言しなければなりません。

エキスパートによるどんな証言がEB1-Bケースに有益なのか?についてもっと詳しく>>

教授または研究者として働いた「三年間」の計算方法

外国人は、学術分野で三年以上教授又は研究者として働いた経験が必要です。上級学位を取得する過程で行った教授活動や研究は、実際にその後上級学位を取得した場合にのみ考慮に入ります。また、教授活動の場合、その期間中クラスを教える全責任を負っていなければ、教授活動として考慮されません。上級学位を取得する過程で行った研究の場合は、その研究が傑出していると学術分野で認められた場合にのみ考慮に入ります。

教授・研究経験の証拠には、外国人が行った業務を具体的に説明する当時の雇用主からの手紙が必要で、その手紙を書いた本人の氏名、住所、および役職名も記載する必要があります。

終身在職権利付き、終身在職権利取得予定、又は同等の立場

EB1-B受益者に必要な資格の最後の一つは、受益者が大学から終身在職権利付き、又は終身在職権利取得予定の教授か研究者として雇用のオファーを受けたか、又は三人以上のフルタイム研究者を持ち、研究分野で書面化された功績を持つ民間企業から同等の研究者としての雇用のオファーを受けていると言うものです。

永続的な研究者の立場

多くの大学では、研究者は終身在職権利を持たない為、USCISの規則では、大学が「永続的な研究者の立場」で雇用のオファーを出した場合は、第一優先カテゴリーの資格として考慮しても良いとしています。

「永続的な」立場とは、雇用期間に制限がなく、解雇されるのに相当する理由がない限り、通常従業員側が継続した雇用を期待するものを指します。

民間企業での同等の立場

通常民間企業が終身雇用をしない事から、USCISは、このカテゴリーの「同等」な立場とは、大学での研究者のように「永続的な」立場で雇用のオファーを受けた者、としています。

「雇用主」の条件

連邦政府機関、州政府機関、および地方政府機関の場合、大学やその他高等教育機関でない限りは、EB1-B上「雇用主」の定義に含まれません。

「傑出」の基準

傑出した教授・研究者としての資格を満たす為には、下記の基準の内最低二つを満たす必要があります:

  1. 学術分野での傑出した功績を理由に、重要な賞を受賞している証拠
  2. 学術分野の団体で、傑出した功績がなければ入会できない団体の会員になっている証拠
  3. 専門誌で、他者がその外国人の仕事について述べた記事。この場合、その記事の表題、日付、及び筆者を記載する必要があり、外国語の記事の場合は英訳が必要。
  4. 同じ学術分野、又は関連した学術分野で働く他者の仕事の審査官を個人で、又はパネルの参加者として務めた証拠。
  5. 学術分野への新しい科学的な、又は学術的な研究貢献の証拠
  6. 学術的な本を執筆した証拠、又は世界的に読まれている学術雑誌に掲載された記事を執筆した証拠。

USCISの審査基準

EB1-A申請と同様、EB1-Bケースにも二段階分析が適用されます。USCISは、外国人が「傑出している」かどうか判決するのに、全体的な判断を下します:規則にリストされている証拠の種類は、審査官と請願者両者にとってあくまでガイドラインでしかありません。最終的には、証拠書類は受益者が世界的に傑出していると認められている研究者又は教授であると立証しなければなりません。上記のリストの中から二つの証拠を提供するだけでは、優先労働者の請願書が承認されるとは限りません。審査官は、提出された証拠内容を審査するからです。提出された証拠がこのカテゴリーの基準を満たさないとUSCISが判断した場合、追加証拠が要請される場合があります。

このトピックに関する1992年6月のメモで、当時のINSは、以下の証拠が教授・研究者が傑出していると示す強い証拠になると述べました:

  1. 学術討論会で、相互評価を受けたプレゼンを行った
  2. 学術雑誌に記載された、相互評価を受けた学術論文
  3. 専門分野に対する受益者の貢献に関するその他の学者からの証言
  4. 受益者の論文を権威として引用した件数を示す引用索引
  5. 相互評価が行われる学術雑誌で、審査官を務めた経験